「在庫は減らすべきだ」
在庫の話になると、
そうした言葉がよく聞かれます。
確かに、過剰在庫は資金を滞留させます。
倉庫を圧迫し、管理負担も増えます。
しかし、在庫そのものが“悪”なのでしょうか。
■ 在庫には役割がある
在庫は、需要と供給のズレを吸収するために存在します。
・納期を守る
・欠品を防ぐ
・生産の安定を保つ
在庫は、顧客満足と安定運営を支える「緩衝材」です。
ひたすら削減すればよい、というものではありません。
むしろ在庫を極端に削れば、
欠品や機会損失という別の問題が生まれます。
■ 問題は“量”ではなく“設計”
重要なのは、在庫が多いか少ないかではなく、
その水準が設計されたものかどうかです。
在庫回転率で言えば、
この数値が高いこと自体が正解ではありません。
例えば、
高回転だが欠品が頻発している会社
低回転だが安定供給を実現している会社
どちらが健全かは、
経営の方針によって変わります。
■ 適正在庫という考え方
適正在庫とは、
「自社の戦略および財務と整合した在庫水準」
と言い換えることができます。
・短納期を武器にするのか
・品揃えを強みにするのか
・資金効率を最優先にするのか
戦略が違えば、あるべき在庫水準も変わります。
また、会社の財務状況によって、許容できる運転資金水準も変わってきます。
つまり、在庫水準の正解は一つではありません。
■ 在庫を敵にしない
在庫を「悪」と捉えると、
削減そのものが目的になりがちです。
しかし本来問うべきなのは、
この在庫は、
自社の意思を反映しているか。
ということです。
在庫はコントロールすべき対象であって、
排除すべき存在ではありません。